今日も定時で仕事を終えて、遼雅さんよりも一足先に自宅にたどり着いていた。
しっかりと家に着いたことをメッセージで伝えて、すぐに返ってくる返事に笑ってしまう。
心配性だから、もしかしたら、私から連絡がきたことがわかるように、肌身離さず持ってくれているのかもしれない。
遼雅さんが携帯を握りしめているところを想像して、もう一度笑えてしまった。
料理をしながら、遼雅さんの帰宅連絡に気づいてすぐに返事を打った。
あと20分もしないうちにたどり着いてしまうみたいだから、今日は先にお風呂に入ってもらうことになりそうだ。
一人で計算をして、黙々と作業に取り掛かる。
遼雅さんはやっぱり、私が思った通り野菜のスープがすきだと言っていた。
意外にあっさりしたものが好みなのだとおどろいたけれど「柚葉さんが一番おいしそうに食べるから」と言われて、声に詰まってしまったのが良い思い出だ。
結局まだまだ探しきれていないのだけれど、今日はこりずに野菜のスープにしてみた。
一人満足して次の作業に取り掛かろうとしたところで、玄関から音が聞こえてくる。
いつものようにスリッパで駆けだして、扉が開くのと同時に玄関の前にたどり着いた。


