【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】



今日も定時で仕事を終えて、遼雅さんよりも一足先に自宅にたどり着いていた。

しっかりと家に着いたことをメッセージで伝えて、すぐに返ってくる返事に笑ってしまう。

心配性だから、もしかしたら、私から連絡がきたことがわかるように、肌身離さず持ってくれているのかもしれない。

遼雅さんが携帯を握りしめているところを想像して、もう一度笑えてしまった。


料理をしながら、遼雅さんの帰宅連絡に気づいてすぐに返事を打った。

あと20分もしないうちにたどり着いてしまうみたいだから、今日は先にお風呂に入ってもらうことになりそうだ。

一人で計算をして、黙々と作業に取り掛かる。


遼雅さんはやっぱり、私が思った通り野菜のスープがすきだと言っていた。

意外にあっさりしたものが好みなのだとおどろいたけれど「柚葉さんが一番おいしそうに食べるから」と言われて、声に詰まってしまったのが良い思い出だ。

結局まだまだ探しきれていないのだけれど、今日はこりずに野菜のスープにしてみた。

一人満足して次の作業に取り掛かろうとしたところで、玄関から音が聞こえてくる。

いつものようにスリッパで駆けだして、扉が開くのと同時に玄関の前にたどり着いた。