【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】

わざとリップノイズを立てて吸い付かれたら、指先がぴくりと痺れてしまった。


「ゆず、だめ?」

「う、あ、やめて、ください、ぜんぶゆるしたくなる、ので」

「あはは、ぜんぶゆるしてくれたら、うれしい」


肯定するまで、指先を離す気がないのだろうか。

あまく吸って、私の手の甲に熱心に口づけて遊んでいるみたいだ。くらくらして止まらなくなる。


「な、んで、そんなに……っ」

「柚葉さんが俺以外の男性と楽しそうにしている姿を見ると」

「っあ」

「いじめたくなってくる」


かぷりと指先に噛みついて、愛でるように舐めた。

右手で抗議しようとしたら、同じように右手で封じ込まれて、人形のように操られてしまう。

喉を鳴らして笑う遼雅さんのいじわるに、心底まいってしまった。すきだから、何をされてもうれしくてこまってしまう。


「可愛い柚葉さんが、奪われたらどうしようかって、焦って落ち着かなくなる」


焦ることなんてなさそうな人なのに、私だけに囁いてくれる。「こまったな」と付け足すように笑われたら、背筋がしびれて、胸が落ち着かなくなってしまった。


「な、いです」


必死にこころを落ち着かせようとしているのに、遼雅さんの右手が私の右手と一緒にお腹に回されたら、心音が大きくなりすぎて、眩暈がしてしまいそうになった。