「履歴、気持ち悪いくらい残ってたかな」
「ごめんなさい、あの、気づかなくて」
「いや、俺もこんなに送るつもりなかったんだけど……」
苦笑した遼雅さんが、大きな手で髪に触れてくれた。耳に髪をかけるように撫でて、じっと見つめてくれる。
「ご心配をおかけしました……、あの、遼雅さんのこと、ずっと考えていて……」
「俺のこと?」
「……遼雅さんが、あの、私のこと」
「うん?」
「どう思ってくれているのかなって……、考えるのであたまがいっぱいでした。ごめんなさい」
正直に謝って遼雅さんの顔を覗き込んだ。
申し訳ない気持ちでいっぱいでじっと見つめているのに、私の言葉にぼうぜんとした遼雅さんが、一呼吸おいて、とろけてしまいそうなくらいのやさしい笑みを浮かべてくれる。
「俺のこと、考えてくれてたんですか?」
「うん」
「ずっと? 連絡も忘れてしまうくらい?」
「……ごめんなさい、りょうがさんで、いっぱいで」
真剣に謝って頭を下げたら、しゃがみこんでいた遼雅さんが地面にあぐらをかいて座り込んだのが見えた。
すこし笑ったような声がして、おそるおそる振り向いたら、私のほうをじっと見つめてくれている遼雅さんの視線にすぐにつかまってしまう。
「あー、もう」
「りょうが、さん」
「かわいいから、全部ゆるしたくなって、ずるいな」


