壮亮に褒められたら、いつも嬉しい。
勝手に褒められた気になって笑っていたら、やさしい力で頭を叩かれてしまった。
「アホ、顔キモイ」
「あ、やだやだ。にまにましちゃった。気を付けよう」
エントランスに足を踏み入れて、自分の頬をぺたぺたと触ってみる。
横で呆れた顔をしている幼馴染に首を傾げかけて、ぴたりと止めた。やるなと言われたのを思い出して顔を真顔に戻せば、ますます呆れられてしまう。
「柚、あいつと結婚してから顔の表情、緩みっぱなしだな」
「う、ええ……! やっぱり、そう思う?」
最近壮亮に注意される機会が増えた気がして、焦っていた。やっぱりうまくごまかせていないらしい。
遼雅さんの秘書にしてもらえたのもこの真顔のおかげだから、何とかして治したい。
どうしようか、と壮亮を見つめたら、可哀想なものを見るような瞳と視線が絡んだ。
「お前に真顔は無理だ。あきらめろ」
「ええ、前はうまくできてるって、言ってくれたのに!」
「もう無理だ。そのままで行け」
「ブスで嫌われないかな……」
「今の発言、聞いてたのが俺だけだったことに感謝しろよ、クソ」
「お化粧直してから戻る……」
「まあ、あれだ、顔のことは……。まあ、それなりにかわ……、か、か、か、かわいいから! 気にしなくて良いって……、おい……! おい!? 一人で喋らせるな! ボケ!」
後ろで何かを言っている壮亮から離れて、ふらふらと足を動かした。
勝手に褒められた気になって笑っていたら、やさしい力で頭を叩かれてしまった。
「アホ、顔キモイ」
「あ、やだやだ。にまにましちゃった。気を付けよう」
エントランスに足を踏み入れて、自分の頬をぺたぺたと触ってみる。
横で呆れた顔をしている幼馴染に首を傾げかけて、ぴたりと止めた。やるなと言われたのを思い出して顔を真顔に戻せば、ますます呆れられてしまう。
「柚、あいつと結婚してから顔の表情、緩みっぱなしだな」
「う、ええ……! やっぱり、そう思う?」
最近壮亮に注意される機会が増えた気がして、焦っていた。やっぱりうまくごまかせていないらしい。
遼雅さんの秘書にしてもらえたのもこの真顔のおかげだから、何とかして治したい。
どうしようか、と壮亮を見つめたら、可哀想なものを見るような瞳と視線が絡んだ。
「お前に真顔は無理だ。あきらめろ」
「ええ、前はうまくできてるって、言ってくれたのに!」
「もう無理だ。そのままで行け」
「ブスで嫌われないかな……」
「今の発言、聞いてたのが俺だけだったことに感謝しろよ、クソ」
「お化粧直してから戻る……」
「まあ、あれだ、顔のことは……。まあ、それなりにかわ……、か、か、か、かわいいから! 気にしなくて良いって……、おい……! おい!? 一人で喋らせるな! ボケ!」
後ろで何かを言っている壮亮から離れて、ふらふらと足を動かした。


