「あはは」

「ええ? なにが、おかしいですか」

「はは、ううん。俺のかわいい人は、すこし天然なところがあるな、と再確認していました」

「て、んねん……」

「かわいいですよ。俺はそういうところも、すごく惹かれます」


不機嫌だったり、たのしそうだったり、今日の遼雅さんは、とっても忙しい。


「柚葉」

「は、い」

「つまが頼るのは、誰ですか?」


見つめあって、遼雅さんの指先が、私のあごをおさえながら下唇に触れる。

たぶらかすような仕草だ。

まるで、答えを間違えたら、すぐにでも塞いでしまいそうな瞳で見つめてくる。


「こたえて?」

「……旦那さん、です」

「うん、きみの旦那さんは?」

「りょうがさん、だけ、です」

「うん、じゃあ、次は峯田さんじゃなくて、俺に守らせてください」


茶目っ気たっぷりに笑って、もう一度抱きしめてくれる。

どんなことからも守ってくれるのだと、無条件に信頼できる熱だと思った。抗うことなく背中に腕を回して、ますますつよくなる拘束に小さく笑っている。


もう、すきになっちゃいましたよ、遼雅さん。

助けてくれますか?


「お機嫌、直りましたか?」

「……柚葉さんを感じられたら、すぐ直るかもしれません」