「エロ本でも隠しに行ったか?」

部屋に入る真尋先輩を見ながら、宮原先輩はニヤニヤしている。そんな男子の事情に私と優莉はどんな反応していいか分からず、聞いてないフリをした。

「お前と一緒にするな」

部屋から戻ってきた真尋先輩は手に本みたいな物を持っている。そして逆にニヤッとして宮原先輩の方を見た。

「エロくなくて悪いけど」

そう言いながらその本みたいな物を私と優莉の前に置く。

「これは……」

「そう、中学時代の卒アル。面白くないだろうけど、若かりし敦士でも見てあげて」

宮原先輩もマジかよと言いながら私と優莉の後ろに来て一緒に見る。

中学生の真尋先輩、幼さがあるけどすでにイケメンが完成してる。これはモテただろうな。

その真尋先輩の隣にいるって……じぃっとアルバムを見て確認する。

「俺の隣の小さいのが敦士だよ。卒業の時って身長156センチくらいだっけ?」

じぃっと見ている私に真尋先輩が説明してくれた。真尋先輩が背が高いのもあり、宮原先輩がかなり小柄に見える。

「160センチだよ。今は173センチあるからな」

宮原先輩は僅かな誤差だけど怒り気味に訂正する。その様子を見て優莉が珍しくクスッと笑った。

「お前は知ってるだろ」

笑う優莉に宮原先輩は後ろから優莉の頭に片肘を乗せて嫌がらせをする。

『もう、やめて下さい』と言いながらも優莉はそんなに嫌がっているようには見えない。