いつか咲う恋になれ

「面白いじゃねぇか。受けて立つぜ」

宮原先輩はニィッと笑みを浮かべ、朝比奈先輩の提案を飲んだ。

それにしても大丈夫かな。宮原先輩、何だか自信たっぷりだけど自分が怪我している事忘れてないよね。

そして試合開始ーー

序盤から白熱した戦いが繰り広げられる。

「よっしゃあ、真尋行ったれ」

「OK」

宮原先輩からパスを貰った真尋先輩は、そのままディフェンスをすり抜けゴールまでドリブルしてダンクを決めた。

体育館中に女子生徒のキャーという甘い声援が響く。真尋先輩って本当に何でも出来ちゃう人だな。でも確かに今のはカッコ良かった。

ゴールを決めた後、仲間とハイタッチをした真尋先輩はチラッと私のいる二階を見て微笑んだ。その表情に私はドキッとする。

でも試合も終盤になるにつれ、宮原先輩の左手にも限界がきたのか思うようにプレイが出来ないみたいで、結局この試合は二年生チームの勝利で終わった。

この後どうなるのか……心配になり真尋先輩達を見ると、タオルで汗を拭きながら何やら三人でヒソヒソ話をしている。

そして朝比奈先輩がまた壇上に上がり、マイクを手に持った。