髪型をお団子ヘアーに戻し制服に着替え、森野先輩に頑張って下さいと声をかけて演劇部訪問を終えた。

生徒会グループに送信された写メを見て小谷先輩からは『すげぇ可愛いじゃん』と返信があり、宮原先輩も『グッジョブ』と言ってるキャラクターのスタンプを返信してきた。

香月先輩からは……まだ見てないみたいで返信はなかった。

「まぁなんだかんだで楽しかったね」

「そうね。でもこういうのは最初で最後でいいわ」

私達は笑いながら弓道場へと歩く。しかし弓道場付近にはもの凄くたくさんの女子生徒達がいて、黄色い声援が飛び交っている。

「これは……無理だね」

「そうね。弓道部(ここ)は諦めてサッカー部行こうか」

香月先輩のデモストレーションは見たかったけど、流石にこの香月先輩ファンに混じるのには抵抗があったので、サッカー部の方へ行く事にした。

でもちょっと気が重い。サッカー部には元彼の山下君がいるし、私が行くと気まずくなるような気がする。

「サッカー部ってレンタル彼氏するって言ってたっけ?」

優莉は微妙な表情で話す。興味がないのが丸分かりだ。

「うん。優莉、顔に興味がないって書いてあるよ」

「小谷先輩には悪いけど、出来れば避けたいわ」

私が笑いながら言うと、優莉はフゥッと息を吐き出しながら答えた。

二人でサッカー部も行くのやめとこうかと話している時、私はふとある事を思いつき立ち止まる。

「……ねぇ優莉、お願いがあるんだけど」

「急にどうしたの?」

私はお願いしたい事を話す。優莉は少し考えて私のお願いを引き受けてくれた。