「お帰り。二人ともよく似合ってる。紗倉さんって髪の毛下ろしたら雰囲気変わるね」

「そ、そうですか?恥ずかしかったけどいい体験が出来ました。ありがとうございます」

「せっかくだから記念撮影してあげるよ」

記念撮影!?恥ずかしいから大丈夫って伝えたけど、森野先輩は何やら小道具からゴソゴソ取り出して私達に渡す。

「はい、美園さんはこれを持って口元まで上げて……」

また森野先輩の気迫に負け、優莉は渡された真っ赤なリンゴを言われた通りに持つ。

それにしても……森野先輩って物静かなイメージだったけど、結構強引な所もあるんだな。

優莉の撮影が終わったみたいで、今度は私の方に来た。

「紗倉さんはこれを抱きしめて……はいOK」

私はウサギの人形を渡され言われた通りぎゅっと抱きしめた。

「最後に二人並んで……」

なるようになれ……私は笑顔満載でポーズをとった。

「お疲れ様。良い写真撮れたから携帯に送っておくよ」

「ありがとうございます」

森野先輩が写メを送ってくれたのと同時に私と優莉の携帯がピロンと鳴った。

「!!?」

写メを見た瞬間、私と優莉の顔色が変わる。

「も、森野先輩……生徒会グループの方に写メ送ったんですか!?」

「その方が早いかと思って。ダメだった?」

悪びれた様子もなく、不思議そうに聞き返してきた。

ダメじゃないし、写メも良く撮れてるけど……コスプレ姿が生徒会みんなに見られちゃうのは恥ずかし過ぎる。

この姿を見て、香月先輩はどう思うかな。