「苺ミルク好きなの?甘そうだね」

「でも美味しいですよ」

私は苺ミルクを持ってクルッと香月先輩の方に振り返る。すると、香月先輩は私の苺ミルクのストローをパクッと口に入れて一口飲んだ。

「うん。甘いけど美味しい」

えっ飲んだ!?

私はボーッと香月先輩の顔を見る。先輩は何食わぬ顔で私の前の椅子に座って足を組んだ。

いや、うん……飲むのは全然構わないの。でもこれって間接キスじゃ……。

そしてハッとなる。今の宮原先輩と優莉に見られてないかな。

チラッと二人の方を見たけどこっちを見た感じはなく、まだハンカチでジュースの跡を拭き取っていた。

ひとまず安心して苺ミルクを飲もうとして手を止める。そうだ間接キス……いやいや、意識したら変に思われちゃう。

一人で悶々としていたけど、思い切って苺ミルクを勢いよく飲んだ。

多分、顔も赤いし勢いつけて飲んだから間接キスを意識しているのが丸分かりだったのだろう。

香月先輩は私を見て声を出して笑った。

「真尋どうした?」

香月先輩の笑い声に気づいた宮原先輩と優莉がこっちを見ている。

「いや、何でもないよ。それよりそろそろ午後のテストに向けて勉強した方が良くない?」

「そうだな。教室戻るか」

香月先輩は立ち上がり、私を見て小さな声で『可愛い』と言い残して、宮原先輩と生徒会室を出て行った。