「卒業……おめでとうございます」

私、ちゃんと笑顔作れているかな。目が合ったら泣いてしまうと思い、まともに真尋先輩の顔を見れないままそっと花束を渡す。

「ありがとう」

真尋先輩は私から花束を受けとり、顔を見てないから表情は分からないけど、優しい声でそう言った。

「俺達は今日で卒業するけど、お前達の先輩である事はずっと変わらないから何かあったらいつでも相談してくれよ」

先輩達が笑顔で私達に言葉を残すと、また小谷先輩が号泣し始めた。もちろん私達もウルッときている。

それから先輩達は部活の後輩に会いに行くと言って生徒会室を出て行った。

「俺達も部活の先輩の所に行かなきゃな」

小谷先輩はティッシュで鼻を噛みながらそう言うとみんな生徒会室から出てそれぞれ自分の部活へと向かった。

私も優莉と茶道室へ向かって歩き始めたけど、本当にこのまま何も言わないまま真尋先輩と別れていいの?と自分自身に問いかける。

合格発表はまだだけど、真尋先輩は県外の大学を受験しているから今日が会うの最後になるかもしれない。

私、いつも現実逃避したり待っている側にいるだけだ。自分から何も行動を起こせてない。

このままなんて絶対嫌だ。私が変わらなきゃ……。