そして三月、何も行動を起こせないままいよいよその時がやってきた。

「卒業おめでとうございます」

本日体育館では卒業式が行われていた。

外は澄み渡った青空が広がり、今日は休みのはずの在校生も卒業生を祝おうと学校に来ている。

私は生徒会一員として卒業式に参加していた。そしてやっぱり目立つ真尋先輩の姿をチラチラ見ながら私は泣きそうになる。

でも私より先に小谷先輩が号泣しているのを見て何だか泣けなくなってしまった。

式が終わり卒業生が退場していく。私達が拍手で先輩達の門出を祝う中、私の前を真尋先輩が通り、こっちを見て優しい表情しながら微笑む。

私も微笑み返して心の中で『卒業おめでとうございます』と真尋先輩の卒業を祝った。

式が終わり後片付けをして、私達は生徒会室で花束を準備して先輩達を待つ。

「遅いな〜先輩達」

小谷先輩は生徒会室のドアの方を見ながら先輩達が来るのを今か今かと待っている。

それから少し時間が経ち、勢いよく生徒会室のドアが開く。

「卒業生入場〜」

と自分で言いながら胸元に花をつけた宮原先輩と真尋先輩が入ってきた。

「卒業おめでとうございます」

私達は拍手をして改めて卒業を祝う。そして準備した花束を優莉が宮原先輩に、そして真尋先輩には私が渡した。