「じゃあ私、教室に戻りますね」

「ちょっと待って穂花ちゃん」

「え……?」

まさか学校で名前呼びされるとは思わず、思わず真尋先輩の顔をジッと見てしまう。

「夜、電話していい?」

とびきりの王子様スマイルに私は顔が熱くなり、そのまま「はい」と頷いた。

何か真尋先輩……いつもと違う気がする。

そして夜、ドキドキしながら真尋先輩と電話したけど、いつもと同じ感じだった。学校でいつもと違う気がしたのは気のせいだったみたい。

優莉と宮原先輩を見た後だったから、恋に敏感になってたのかも。自己完結して私はベッドの上に転がり、天井を見上げながらボソッと呟く。

「私も早く真尋先輩に告白しなきゃ」