「優莉、何かあった?」

「……どうして?」

「何となくそう思っただけ。違ってたならごめんね」

放課後、生徒会室で仕事をする優莉を見て何だかいつもと違う気がした。優莉は顔に感情を表に出すタイプではないから分かりにくいけど、やっぱり元気がないというか上の空というか……そんな気がする。

私は優莉の力になりたいけど相談しにくい事なのかな。

そしてその日の夜、真尋先輩からの電話で優莉の様子が変だった理由を知った。

「そういえばさ……美園さんって彼氏いるの?」

聞いて良いものか分からないけど、というような感じで真尋先輩は私に聞いてきた。

「優莉に彼氏ですか?いえ、彼氏が出来たとは聞いてないですけど……あっもしかして宮原先輩と付き合い始めたんですか?」

きっとそうだ。優莉の様子が変だったのは彼氏が出来たって言いづらかったんだ。私はウキウキしながら真尋先輩に聞き返す。

「あ、いや……そうじゃないんだ。あの二人は付き合ってないよ」

「え?違うんですか?」

私は予想が外れてキョトンとする。じゃあ真尋先輩は何で優莉の事を聞いてきたのだろう。