「真尋は誰のどんなチョコだろうと一切受け取らないよ」

生徒会室に入るとちょうど宮原先輩が一人でいたので、義理チョコをあげる名目で真尋先輩のチョコレート事情を聞いてみると、優莉の言う通りだった。

真尋先輩にとってバレンタインは迷惑なイベントでしかないらしい。私もチョコをあげるのやめといた方が良さそうだな。

「あっ俺は全然チョコ貰うからね」

宮原先輩はニッコリしながら言うけど、これは優莉に向けたメッセージだろう。

受験は終わって後は結果待ちだけど、この二人は何か進展あったのかな?他人事ながら私は顔をニヤつかせる。

バレンタイン当日、色々考えた結果真尋先輩のチョコは準備しなかった。昼休みに優莉と一緒に生徒会の先輩方に個別に渡しに行った。

宮原先輩にチョコを渡した後に真尋先輩のクラスをチラッと見ると、たくさんの女子達がチョコを持って真尋先輩を探している。

みんなキラキラしていて可愛い。あんな可愛い子達からも本当にチョコ受け取らないのかな。真尋先輩の事を気にしながら自分の教室に戻る。

受け取って貰えなくてもやっぱりチョコを準備すれば良かったな。女子の頑張りを見ながらそう思っていた。