「優莉、私の事は気にせず宮原先輩とお昼一緒に過ごしていいよ?」

体育祭が終わってしばらく経ち、私は優莉と一緒に昼休みを過ごしていた。

秋になってだいぶ過ごしやすい気温になってきたので、中庭にあるベンチに座って話をしている。

「何でそこで宮原先輩が出てくるの?」

優莉は不思議そうに私を見た。

「何でって……付き合ってるんでしょ?」

「私と宮原先輩が?別に付き合ってないけど。それに生徒会は恋愛禁止でしょう?」

「えっでも体育祭の後、鉢巻交換したんじゃ……」

「あぁその事?確かに宮原先輩と鉢巻交換したけど、あれは違う色の鉢巻を持ってたらもう誰も鉢巻交換を言ってこないだろうって宮原先輩に言われて交換したのよ。私と宮原先輩はチーム違ったから鉢巻の色も違ったし」

宮原先輩、変な言い訳してまた告れなかったんだ。(はた)から見ても完全に両想いに見えるんだけどな。積極的なイメージがあったけど、意外と恋愛に関しては消極的らしい。

「穂花こそ、友達と仲直りしたなら私と昼休み過ごさなくても大丈夫よ?」

「私は優莉と色々話したいから。友達もそれぞれ別の人と過ごしているしね」

私は柳と仲直りしたけど、それぞれ高校で知り合った友達と一緒に過ごしていた。

電話もするしメッセージのやり取りをしたり一緒に遊んだりするけど、中学の頃みたいにずっと一緒にいるわけではない。みんな自分の世界を広げていた。