「なんで知ってるの、って顔してるね」



ふふっ、と彼は笑う。
そして今度は、豆腐を蓮華に乗せた。


おっ、おとうふっ...!!


きっと今の私の目は輝いている。


だって、数日ぶりの豆腐だ。



「僕はキミのこと、知ってるからね」


「......?」


「何度も手紙送ってるのに、気づいてくれないから悪いんだ」



それは、ストーカーという解釈で良いだろうか。


私の家...ポスト...と連想する。


私は家を二軒持っている。
両親が死んで、誰もいない実家。
それと、私が住むマンションの一室。


...彼が手紙を入れたのはきっと、私の実家の方だ。


もう三ヶ月ほど前から帰っていない。