いま以上に話がややこしくなりそうで不安しかない。


「花、なにやってんだよ。ゲッ、こいつがあの雨城かよ」


拓海くんはすっとんきょうな声をあげてマジマジと雨城くんを見つめる。


拓海くんは歩み寄ってくるなり、あろうことか私の肩をぐっと抱き寄せてきた。


へ?なにしてるの、拓海くんたら。


そして、雨城くんをギリリと睨みつける。


「この女たらしが、よくも花を」


ひえー。


とんでもない言いがかりをつけ始めちゃった。


ああっもう駄目だ。収拾がつかないよー。


「は?誰が女たらしだと?」


「おまえみたいな奴に花は渡さないからな」


「……」


次々に文句を言われていいかげん腹が立ってきたのか雨城くんは険しい表情で拓海くんを凝視した。


「俺は女たらしじゃない」


「女たらしだろ、見ろよ、お前の周り女ばっかじゃねーかよ」