というのも、私達生徒同士にも微妙な溝が出来ている気がするの。


暗黙の了解のように、両者は必要以上に関わらなくてあんまり仲が良くない。


ぼんやりしていた私は当初そんな微妙な雰囲気には気が付かなかったんだけど。


嫌でも意識するようになったのは、私が彼に恋をし始めてからのこと。


そう彼はその普通学科の生徒なんだ。


ただ他の人と違うのは彼が学業成績優秀で我が校の特待生ということ。


「きゃあー、きたきた。千景(ちかげ)くんよ」


「今日もカッコイイ」


私以外にも彼が来るのを正門で待っていた女子生徒たちがいる。


10人ほどいる彼女たちは、いつものように頬を赤らめて騒ぎ出した。


黒いブレザーだから普通学科の女の子たちみたい。


それを見た私にも急に緊張が走る。


わわっ、雨城くんが来た。


心臓がドキンと跳ねて俯いた私。