「うん、それだけで十分。だって雨城くんってね近くで見るとイケメン過ぎるんだもん。私昨日も話してる最中に何度も意識が飛んじゃって」


「花ってばそんなんで大丈夫なの?」


ちえりちゃんは、呆れたように苦笑い。


「だからまずは、緊張しないでお話しできるようにすこしづつ慣れて行かないと」


拳をぐっと握り決意表明をする。


昨日の私、彼の美しい容姿に見惚れてしまっていて、彼の話してる内容も頭に入ってこない時もあった。


はあっ、思ったよりも低温ボイスで素敵だったな。


これまでは冷たい雰囲気で目も合わせてくれなかったけど、なぜか昨日の彼はきちんと私の目を真っ直ぐに見て話してくれたんだ。


あの入学式の日以来、彼と話をするのは2度目だった。


初めて話したあの日から、彼にあこがれ続けてもう1年半が過ぎようとしていた。