冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。

ってそんなこと言ってる場合じゃなかったんだ。


「やっぱり俺がやるから」


そう言って彼はおもむろに箱の中の粉と格闘するためジッとそれを見つめる。


狙いを見定めているみたいで真剣そのもの。


「よし、そこだ」


そして一度粉に口をつけただけで、するっと飴をとってしまった。


「へ?うそーっ?」


口を開けて見せてくれるけど、ちゃんと舌の上に飴玉が乗っている。


思ったよりずっと小さい、なかなかとれないはずだよ。


これにはライバルのカップル達も拍手してくれるほど。


「わっ、一回でとった。すげー天才」


「やるなっ、イケメン」


その鮮やかなお手並みに私も惚れ惚れした。


そして、彼はグイッと袖で唇を拭うとニッコリ笑ってこう言う。


「これでやっと3位だな、花次へ行こう」


「う、うんっ」


嬉しくて思わず飛び跳ねて彼とハイタッチした。


キャッ、すごく楽しいっ。