冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。

あ、そっか。千景くんが物凄く注目されているのかも。


どこにいても彼は目立っていて女子達の関心の的だから。


「花、次いくぞ、走れ」


「うん」


顔を見合わせてうなずきあうと、手に手を取って走りだした。


今度はなせだかさっきよりもうんと身体が軽くなったような気がした。


次の障害物は四角形の箱の中に粉が敷き詰められていた。


顔を突っ込み飴玉を食べるという古典的なものだ。


ほかのカップル達は顔を粉だらけにしている。


思いの外、飴が深く埋まってて取りづらそう。


「俺がやる」


「だ、ダメッ。私がする」


この白い粉を見た時に瞬時にこう思った。


こんなにイケメンの千景くんの顔を真っ白にしたくない。


それなら自分がやった方がマシ。
私なら平気だもん。


千景くんを強引に押し除けて箱の前に立ち深呼吸。


そして箱の中に顔だけ突っ込んだ。


「んぷっ……ゴホッ」