冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。

とにかく今は競技に集中しなきゃ。


まず初めの障害物はテーブルに何枚か置いてある水色の用紙を選ぶみたい。


そこには私たちに対しての指示が書いてある。


急いで適当に用紙を掴んで裏返した。


「ヒヤッ」


書いてある文字を見たら思わず変な悲鳴をあげてしまった。


「どうした?」


「あ、どうしよ。こんなの無理」


顔から火が出そうになって頭がくらっとする。


いきなりこれって。なんてハードルが高いの?


その水色の用紙にはこんなことが書いてある。


(女子から男子へキス)


こんなの絶対無理だよ、できっこ無い。


思わず口元を手で覆ってオロオロしていたら、彼のするどい声が飛んできた。


「花、早くっ」


「へっ?」


千景くんはちょっと屈んで私をジッと見つめるから焦った。


その目は、さっさとキスしろって言っているみたい。


「でもでも……恥ずかしい」