冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。

スタートの合図が鳴ったその時。


彼は勢いよくスタートダッシュをかけたからびっくりした。


うそっ、千景くんたら本気で走ってる。


本当に1位を狙ってるんだ。


「千景くん、待ってもう少しゆっくり」


だけど、足がもつれてうまくついていけない。


バランスを崩して前のめりに転びそうになる。


「キャッ」


「花っ」


彼が慌てて支えてくれたからなんとか転ばずにすんだ。


手を繋ぎながら走るって意外にたいへん。


ていうか、私たち全然息が合ってない。


「悪い、つい」


幸いすぐに彼は私に合わせてくれてまた走り出したんだけど順位はあんまりよくない。


まず一つ目の障害物にたどり着いた時には6組中5位。


「ごめん」


「まだまだ大丈夫だ。ここから巻き返すぞ」


千景くんはなぜか一生懸命頑張ろうとしてくれてる。


そうだ、今は余計なことを考えている場合じゃない。


「う、うん」