冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。

冷やかすように大原くんが私達に声をかけてきた。


「そうだよ、花いつもみたいに彼に甘えちゃいなよ」


ちえりちゃんまで煽ってくる。


千景くんは困ったような顔で私の方を見た。


たぶん2人たちなりに私たちを心配してくれてるんだろうけど。


うーっ、でも今はそっとしておいて欲しいんだけどな。


周りを見渡せばカップルだらけで、みんな明るい笑顔を浮かべている。


キャッキャッと嬉しそうなカップルの桃色のオーラがあたりを包む。


みんな一様にイチャイチャ、ベタベタした雰囲気なので目のやり場に困った。


この中だと私と千景くんは完全に浮いていて。


手も繋がずに微妙に距離を開けて、つっ立っているだけ。


うわ、もういたたまれない、居心地が悪い。


これはこれで何かの拷問のようだよ。


「ごめんね、千景くん」


なんとなく申し訳ない気持ちで一杯になり謝っていた。