「どうしょう、カップルで出なきゃいけないのに。
もうこの際、1人ででるしかないかな」


青い顔をして、頭を抱えていたらちえりちゃんがいたずらっぽくニッと笑う。


「予定通り雨城くんと出たらいいじゃん」


「そんなの無理だよ。いまさら。彼だって凄く気まずいだろうし」


「無理じゃないよ。
こんな時こそ、10分言いなりになって障害物競走に出場なさいって言ってやりなよ」


どういうわけかちえりちゃんは楽しそうに提案してくる。


それに対して急いで反論した。


「だから別れちゃったんだってば」


「そんなのはね、その日のうちに撤回すればなんとでもなるのよ」


「そんな無茶苦茶な……」


「ほらいくよー」