(side花)


千景くんとの電話を終えた後、大きく息を吐いた。


はあっ、いけない。もう少しで彼に「好き」って言ってほしいってお願いしてしまうところだった。


頼めば何でも言ってくれそうな雰囲気だったけどやっぱり……。


そういう大事なことは本人の意志がこもっていないと意味ないよね。


私ってばどんどん欲張りになっていきそうで怖い。


いつも暴走しかけて慌ててブレーキを踏んでいる感じで恥ずかしいな。


彼も私のことを好きになってくれたらいいなって思わない日はないんだ。


だけど、その前にもっと私にはやらなきゃいけないことがある。


このままだと胸を張って彼の彼女ですって顔が出来ない。


千景くんは勉強にバイトに妹さん達のお世話までいつも一生懸命頑張っている。


だから私も運動会の実行委員長を全力で頑張るんだ。