(side千景)


それから1週間後、彼女との交際に少しづつ変化が起きていた。


「千景くん、今日も時間取れなくてごめんね」


夜の10時過ぎ、自分の部屋で机に向かって明日の授業の予習をしていたら彼女から電話がかかってきた。


電話の花の声は少し疲れているような気がした。


「いやいいよ。それより大丈夫か?体育祭の実行委員長なんて大変だろ?」


実は花とはここ最近まともに会えていなかった。


運動会の実行委員長に自ら立候補した彼女は、休み時間も放課後も忙しくて1日10分でさえ会う時間が確保できないらしい。


「うん、そうなの。ほかの学年との調整とかもあるしみんなの前で説明したりすることとかが多くて。
休み時間も集まって話し合いがあるからもうほんとに忙しくて。
覚えないといけないこともたくさんあって頭がパンクしちゃいそうだよ」


「大丈夫なのか?花。無理するなよ」