彼の涼しい視線から目をそらせようとしたけれど、全然ダメで。


思わずそのカッコいい三泊銀の眼差しに、釘付けになって頭がボウッとなっちゃう。


ふと彼の血色のいい唇を見たら昨日のキスの記憶が蘇ってきて、ますます心臓が跳ね上がった。


どうしよ、こんなにドキドキさせられたら寿命がどんどん削られていくんじゃないかしら。


なんて馬鹿みたいなことを思っていたら、後ろから聞きなれた声がしてビクッとなった。


「雨城くん、こんなところで何をしているのかね」


この落ち着いた大人の声の主に心当たりがある。


そーっと振り返ったら、案の定そこに立っていたのは私のクラス担任で2年生の生活指導担当でもある河井先生だった。


しかも、ちょっとしかめ面をしているからびっくりした。