冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。

普段から凄くなつかれてるみたいだし、きっと彼はいいお兄さんなんだろうな。


「悪いな、花のことを話したらちょっとだけでもいいから見たいとか言い出してさ」


「そっか、うん全然いいよ」


「あがって、俺の部屋2階だから」


彼はスリッパを出してくれた。


「う、うん」


少し緊張しながらスリッパをはいて彼の後をついていった。


まさか、彼のお部屋にまで入れてもらえるなんて思ってなかったからドキドキしていた。


玄関先で少し話したらすぐに帰らなきゃって思っていたけどいいんだろうか。


「あ、あのご両親は?」


「ああ、ふたりとも今日も仕事。うち共働きだから。
あと弟が二人それぞれ自分の部屋にいるんだけど、気にしなくていいから」


「そっか、弟さんもいるんだね」