そしてその小さい手を素早く繋いで歩き出した。


俺自身、バイトの時間に遅れたらいけないからいつまでもグズグズしていられないんだ。


それにこういうことは、躊躇してたら余計に恥ずかしくなるだけだ。


「ま、待ってよう。雨城くん」


振り向いたら、彼女は引きずられるように小走りについてきていて今にも転びそうだった。


それに案の定、火が付いたように顔が赤くなっている。


「痛い」


「あ、悪い」


慌てて手を離したら、彼女が首を振る。


「手を離したらやだ」


彼女は甘えるように俺を見つめる。