降ってきたのは甘いキスではなくて、無情な現実。


「うっ」


そうでした、ついつい思い出話をしていたらすっかり時間が超過してた。


にしても、相変わらず時間にシビア。


「じゃあ、これで」


今日も相変わらずぜんぜん名残惜しそうじゃない。


私は仕方なく頷き、走っていく彼の背中を呆然と見つめるだけ。


ふぇーん。
千景くん、やっぱり冷たい。


でもね、それでも、好きだよ。


大好きだよ。


いつか、千景くんも私と同じくらいの気持ちで好きになってくれたらいいな。