すると、誰かの鞄がバシッっと腕のあたりにぶつかる。


「お嬢様はひっこんでてよ」囁くような声がする。


めげずに、勇気を出して大きな声を出した。


「あのあの、私とお友達に……」


そう叫んだ途端、誰かに足を引っかけられてべチャッと転んでしまった。


「キャッ」


ううっ。


今日も1分もたたないうちに彼のファンの普通学科の女子達に蹴散らされてしまった私。


この1か月というもの毎日この繰り返し。


彼に近づこうものなら、たちまち追い払われてしまう。


同じ彼のファン同士、もう少し仲良くしてもらいたいんだけど……。


どうも私が白いブレザーを着ているものだから目の敵にされてしまうみたいで。


縄張り意識みたいなものなのかな。


同じ普通学科の雨城くんは、私たちのものよって気迫が伝わるんだ。


「っ痛……」


膝をすりむいたから、かなりヒリヒリしてる。