その時私の携帯が鳴った。


相手は田中専務だった。


「はい。」


『今、いいか。』


「はい、大丈夫ですよ。」


『サンズグループの会長から連絡があって、今から会議になった。』


「い、今からですか!?」


『あぁ。すぐ来られるか。』


「わかりました。すぐに行きます。」


『会社で待ってる。』


「はい。失礼します。」


急に決まるなんて…せっかくのBBQが…


「志穂?」


「裕也ごめん、お酒お預けでもいい…?今度の夜晩酌付き合うからさ」


「別にいいよ。仕事?」


「うん…急に決まっちゃって…。」


「仕事なら仕方ないよ。会社まで送ろうか?」


「ううん。タクシーで行くから大丈夫だよ。」


「いや、送るよ。」


「いいから、楽しんでよ。じゃあ、帰りに牛乳と卵お願い!」


「わかった。気を付けてな。」


「うん。行ってきます」


「佐々木さん仕事?」


「はい、急に入ってしまって…」


「変わろうか?」


「サンズグループとの契約の件で…」


「あぁ、じゃあ僕らじゃ何もできないね。もし何か手伝うことがあればすぐに言って。」


「ありがとうございます。じゃぁ、行ってきますね!」


すぐに近くでタクシーをつかまえ、会社に向かった。


会社につくと、専務の車に専務と社長が乗っていました。


「遅くなりました!すみません…」


「いや、大丈夫だ。じゃあ向かうぞ。」


「はい。」


後ろの席に社長と並んで座ることに。


「悪いね、急に呼び出してしまって。」


「いえ、大丈夫です。」


「聞いた、今日はお前の旦那の会社と合同でBBQだったんだろ。悪いな。」


「いえ、大丈夫です。でも、どうしたんでしょうか。急に」


「わからない。とにかく急ぎらしい。」


「なるほど…もう少し落ち着いた服装にするべきでしたね。」


「女性らしくて、シンプルでいいと思うよ。」


「恐縮です。」