後2年で30か……。


なんて思っていると、急に後ろから頭を叩かれました。


「痛っ…!?」


「にやついてないで仕事しろ。」


「しゃ、社長!?」


「びっくりした?」


まわりの社員も驚いていた。


「田中のまねしてみた。」


「は、はぁ」


田中というのはこの営業部を取りまとめている専務のこと。


「似てた?」


「そうですね。少し、似ています」


「佐々木。口を動かしてないで手を動かせ。手を。」


「きたきた。田中専務に用があったんだ。」


そういって、お二人は専務室に入っていった。


「びっくりしたねぇ、まさか社長が来るなんて。」


「私もびっくりした。」


「佐々木さんってあの二人と仲よかったっけ?」


「いや、会議でよく一緒にはなるけど…」


「なるほどね。」


「あの二人って高校時代からの親友なんだって」


「だから、あんなに仲がいいんだ」


「そうみたいだね~。」


「ま、こういう話はまた今度ということで、みなさん!仕事しましょ!」


それから、みんなで仕事に戻った。



ランチの時間になって、お弁当を出そうとしたら鞄には入っていなかった。


あ…わすれたぁ……


「佐々木どうしたんだ。」


「専務、お弁当忘れちゃったので今から食堂に行こうかと。」


そこには、専務と社長がいた。


「佐々木さんも来る?近くのお店に今から行くんだけど」


「いえ、食堂に行くので大丈夫です。」


「そうか。じゃぁ、午後の会議頼むな。」


「はい。失礼します。」


びっくりしたぁ…今日はよく二人に会うな…


珍しい日もあるもんだ。


食堂でお昼を済ませ、午後の会議の準備を始めた。