このままばんっとドアを開けて、問い詰めようかと思いましたが、感情をぐっとこらえて、いったん冷静になりました。




私は裕也に尽くしてきたつもりだったのに。




私は相手が誰なのかを知ろうと、ベランダに出ました。




寝室はベランダでリビングと通じていました。




運がいいのか悪いのか、カーテンが少し空いていました。




裕也の上にまたがっている人物を見て私は驚きを隠せませんでした。




その人物は…後輩の沙紀だったのです。




まさか、結ばれた相手が自分の旦那とは思いませんでした。




「嘘…」




私は、ショックと怒りでどうにかなりそうでしたが、どうにかこらえ、証拠写真と動画をとりました。




私は大家さんと仲が良かったため、事情を話し、ここ数か月の私がいなくて、裕也が休み、会社を欠勤していた日を見せてもらいました。




私は裕也が休んだ日などをカレンダーに記載していたのですぐにわかりました。




その日は沙紀ちゃんも休んでいたり、早退を繰り返していた日でした。




この映像をコピーしてもらい、私はすぐさまその足で弁護士のところへ向かいました。




弁護士との話を終えたころ、裕也から連絡が来ました。




私は、絶対に許すつももりはなく、地獄に落としてやろうと企んでいたので、普段通り接することに。




「どうしたの?」




『今連絡見たよ。今どこにいるの?』




「今さっき急ぎの仕事が入ったから会社にいるよ」




「そうか、何時くらいに帰ってくるの?」




「夜になると思う。」




「そっか。俺夜に友達とごはんだからさ、今日夕飯いいや。もしかしたら宅飲みになって向こうに泊まるかも」




「わかった。」




今の証拠でも十分だけど、これじゃまだたりないと思い、私は興信所に行き裕也の不倫の証拠を徹底的に集めてもらうよう依頼をした。




夫婦の共有財産のことで、向こうにとられるのは癪なので、私の給料で入れていた分をほとんど私の個人の口座に移した。




その日は、会社に行かず、裕也が家を彼女と出るのを待ってから、家に入り家を出る準備をした。




少し荷物が多すぎたので、3回にわけて実家に運びました。




両親は最初は驚いていて、私が事情を話すと快く受け止めてくれました。