負け犬の遠吠え。

出張当日。




「佐々木、これ飛行機のチケットな。」




それは、ファーストクラスのチケットでした。




「あの、これ社長のじゃ？」




「いや、佐々木のだ。」




「でも、これファーストクラスって」




「間違ってないよ。ほら、もう時間だ。いくよ」




「は、はい。」




ファーストクラスなんて初めてだったので少しドキドキしていた。




２時間ほど飛行機に乗って、ついたのは温泉街で有名な大分だった。




「では、先にホテルのチェックインしますね。」




「そうだね。荷物も置きたいし。」



「タクシーつかまえるからちょっと待って。」




専務が少しはなれた。




私たちは、雑談をしました。




「今日止まる旅館にさいい感じのバーがあるんだ。今夜そこで祐輝と飲むんだ。君も同席してくれる？」




「なんだか楽しそうですね。お言葉に甘えてご一緒させていただきますね。」




「そうこなきゃ。」




「俊。タクシーつかまえた。」




「わかった。」




「じゃぁ、行こうか。」




「荷物、入れてもらいますね。」




「ありがとう。」




そのあと、タクシーに乗って旅館へと向かった。




「わぁ、素敵な旅館ですね！」




「ここはこの辺でも有名な旅館らしくてね、ここの近くにある通りに新店舗を増やすなんてやり手だな。」




「ここだとすごい競争が多そうですね。」




「それを俺らが勝ち取ったんだ。」




「なるほど。じゃぁ、頑張らないとですね。視察ですけど」




「視察も大事なしごとだから頑張れよ。」




「はい！」




チェックインを済ませ各自の部屋に荷物を置きに行くことに。




「よし。こんなもんかな。資料も入れた、必要なものも入れたね。忘れ物は…なし。」




確認をして、部屋をでてロビーへ向かった。




社長たちはまだ来ていなかったみたいで私は今日この後行く場所の見直しをしていました。




「お待たせ。」




そういって、振り返ると先ほどのスーツ姿ではなくラフな私服になっていました。




視察も仕事だが、少しは観光をしようということで私服で視察をすることに決めていたのだ。




それにしても、二人ともかっこよすぎる…。




周りの女性からくぎ付けだ。




「じゃぁ、向かおうか。」




「はい。」