負け犬の遠吠え。

そして、家についた。




「ただいま~」




「あ、あれ!?し、志穂?」




「あ、LINE見てない?」




「ら、LINE?」




「うん。今日は家で仕事することになったからもう帰るねって。」




「ごめん、見てなかった。」




「いいよ。裕也も休んでたんだし。で、体調どう?」




「あ、あぁ。もう平気だよ。」




「そっか。私明後日から一週間出張になったの。今からその準備してくるね。」




「あ、あぁ。」




裕也まだしんどいのかな。




寝室を開けた時、ふわっと車で嗅いだあの匂いがしました。




あれ?またこの匂い。




「ねぇ、裕也。今日うちに誰か来た?」




「え、え?来てないよ。」




「香水みたいな匂いが」




「あ、あぁ、それアロマじゃない?リラックス効果のあるっていうの使ったから」




「そっか。」




私は、パッキングの準備をしました。




パッキングを終えてから、仕事をやり始めました。



その日の夜、社長から電話がありました。




「もしもし。佐々木です」




『佐々木さん、今大丈夫?』



「はい。大丈夫です」




『あいつに聞いた。出張動向してくれるんだって?』




「そうですが、どうかしました?」




『いやぁ、他の社員が来ると聞いてたからね。君だと聞いて安心したよ。』




「は、はぁ。そうですか。」




『もう、日程は組んだの?』




「そうですね。先ほど田中専務に送りました。」




『君は仕事が早いね。ほんとに。』




「あ、いえいえ。お二人の方が早いですよ。」




『そんな謙遜するところもいいね。じゃぁ、明日打ち合わせをしてから空港の近くのホテルにそのまま泊まってから直行するから。』




「わかりました。では、また明日。失礼します。」




『はい、じゃぁ、また明日ね。』




「仕事?」




「出張のことでね。ごはんもうできるから。」




「うん。」