あっ、私が小学校のときに読んでいた本のシリーズだ!
結構文字数が少ないけど、中学校にも置いてあるんだ〜。
借りてみようかな?
続きが気になるし…
「あっ、その本借りますか?」
「は、はい。そうです。」
「じゃあ、あちらにカウンターがあるので借りて下さい!」
「ありがとうございます。」
「初めて図書室に来ましたか?」
「…そうです。」
「そんな感じがしました!あ、私は図書委員一年の山川由希(やまかわゆき)です。」
「あっ、私は一年の野原穂乃香です。」
「あっ!同じ一年なんですね!一応言っとくと、私は高校一年です。」
「え……」
そういえば、確か…
ここの中学校の近くに高校があるんだよね。
そこの高校は、私立だけど。
え、高校生?
確かに、背が高いし大人っぽく見える。
あれ?しかも…
制服も違う!
本当に高校生?
でも…
高校生の人がどうしてここに?
まさかボランティアとか?
「あ、あの…」
「嘘だよ!私は中学一年だよ!」
「やっぱりそうなんですね!」
「私の姉は高校生で、ここの近くの…私立高校に行っているんです!」
「え、そこの…高校って偏差値高いですよね?」
「まぁ、高いです…」
「すごいね!」
「ありがとうございます!」
あっ、もうすぐでチャイムが鳴る!
「あの…」
「そういえば、借りる本は…?」
「あ」
「一人二冊借りられますよ!」
「じゃあ…これでお願いします。」
私が差し出したのは、さっきから気になっていた、小学校にも置いてあった本のシリーズ。
「分かりました!ちょっと待っててね?」

ふぅ〜。
始めはあんなに緊張していたのに、今は全然緊張しない。
美礼ちゃんと話したときよりもずっーーと。
由希ちゃん、私に笑顔で話しかけてくれてありがとう。
美礼ちゃんよりも気が合う気がした。
またここに来ていいかな…?