えーっと、ここだね!
今いるところは、3階の図書室。
見晴らしがとっても良くて、静か。
入学式の次の日に、先生に学校案内で紹介されたきり、1回も来ていなかった。
やっぱり静かだ。
私が通っている中学校は、私立みたいに綺麗な中学校で、公立の中学校には見えないと、ここら辺では有名らしい。
家族も、私立のような中学校が良いということで、ここの中学校に通うことになった。
家からも少し遠くて、通学するときにはバスを利用している。
それにしても、本当に3階って静か。
廊下には数人しか歩いていない。
制服もめちゃくちゃ可愛くて、私にとってはこの学校はお気に入り。
さて、入ってみようかな?
足を図書室に踏み入れた瞬間、前から歩いてきた人にぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさい!」
「あ、私もごめん…よく見れていなかったから…」
深々と頭を下げてくれた女子。
誰だろう?
「あ、もしかして、野原さん?」
「え。はい…そうです。」
「私は1年C組の小川美礼(おがわみれい)です。」
「あ、私は1年B組の野原穂乃香です…」
「穂乃香ちゃん?」
「はい…」
「これからよろしくね。」
「あっ、どうぞよろしくお願いします。」
「丁寧だね。」
「はい。ありがとうございます。」
「隣のクラスだからまた話そうね。」
「あ、はい。」
「今から図書室に行くの?」
「そうです。」
「ここの図書室すごく綺麗だよね!私、図書室が好きだから、いつも昼休みはここで過ごしてるんだ。」
「そうなんですか?」
「うん。私は今から校庭に行ってくるからじゃあね!」
「あ、さよなら〜。」
美礼ちゃんかぁ…
すごくフレンドリーだった。
私もあの子みたいになりたいな…
もしかして、初めての友達かな?
美礼ちゃんが初めての中学校での初めての友達なのかな?


あ、図書室に入るの忘れてた!
また明日でいっか。
なんか入りにくくなっちゃったし。