キミの名前を呼びたい。




「えっ、如月くん、葉山さんって…」


真城さんは困惑しているようだった。


それはそうだと思う。だって私も困惑している。


ノートを開く前に、如月くんの口が開いた。



「葉山さん、だめかな?」



真っ直ぐ見つめられると、断りにくい。



でも……



「それならあたしも一緒させてもらうよ」



そう言って梓ちゃんは私の右腕を掴んだ。



「君は?」


「あたしは霜野梓、椛のいとこよ。」


「そっか!じゃあ2人にお願いしようかな!」


真城さんは少し前まで嫌そうな顔をしていたのに、梓ちゃんが一緒だと分かると笑顔になった。