「じゃあ如月くんの席はー、窓側の1番後ろの席ね」


「はい!」


如月くんがこっちに向かって歩いてきた。


隣の席である私は絶対に話しかけられるであろうから、慌てて筆談用のノートを開く。


「初めまして、如月千歳です。よろしくね!」



席に着くなり、如月くんの眩しい笑顔が向けられる。



私もすかさず筆談用のノートを見せる。


『初めまして、葉山椛(はやまかえで)といいます。
私は声が出ません。筆談になってしまいますが、よろしくお願い致します。』


如月くんは1行ずつ頷きながら読んでくれた。