キミの名前を呼びたい。




───文化祭 1日目


この日は生徒のみの文化祭。


明日一般公開で、近所の人や他校の人が来る。


「じゃあみんなで楽しみましょ〜う!」


先生がやっぱり1番張り切っている。


「千歳くんっ、一緒に回ろ?」


真城さんが如月くんに腕を組み、教室から出ていってしまった。


これからクラスでの宝探しの出し物をやるのに。


「実行委員2人とも居なくなるとか困るんだけどなー」


梓ちゃんが困っていた。


『私やるから大丈夫だよ』


「えっ、でも椛1人じゃ…」


「僕もやるから大丈夫」


「大地がいるなら、大丈夫だね」


梓ちゃんは部活の方で別の出し物があるらしく、走って行った。


「葉山さん、ごめんね僕なんかで」


私は勢いよく首を横に振る。