キミの名前を呼びたい。




職員室に日誌を届けてカバンを取りに教室に来たときだった


盗み聞きの次は覗き見してしまうなんて───




私が見たのはちょうど如月くんと真城さんがキスをしているところ。




如月くんが慌てて真城さんを突き放して何かを言ってるみたいだけど頭が真っ白になっているため何も分からない。







急に後ろから腕を掴まれた。


「葉山さん、どうしたの?!」


声をかけてくれたのは笹川くんだった。


私はまだ困惑していてメモを出す余裕もなかったけど、教室に2人が居るのを見て察してくれた。


「僕も教室にカバン置いてあるから、一緒に取りに行こっか」

そう言って私の手を握り、教室に入っていった。




「──っ」


真城さんが何か言いたそうにこっちを見ていたけど、笹川くんはそんなことも気にせず私と自分のカバンを取って教室から出た。