キミの名前を呼びたい。



「ね?葉山さん優しいから変わってくれるよね?」


真城さんの笑顔が怖かった。


でも、私は首を横に振った。


「…でよ、なんでよ!!」



───痛っ…


真城さんに突き飛ばされ、倒れた時にたまたま手元に落ちていたカッターで左手を切ってしまったようだ。


「あ…ごめんね…」


真城さんもこれはやばいと思ったのか、謝ってくれたけど…


『ゆずります』


そうホワイトボードに書き、私は教室から出ていった。








2回目の保健室。やっぱり先生は居ない。


手のひらを切ったんだけど、結構痛い。


少し大きめの絆創膏を貼って、椅子に座った。


さっきここに居た時は、楽しかったのにな。



真城さんと変わったこと、如月くん怒るかな…。