「あの時は風邪って言ってけど、本当は違うんだ。
葉山さんには、話しちゃおうかな。」
如月くんはちょっとだけ、悲しそうな顔をした。
「俺ね、中学の時はこんな性格じゃなかったんだ。
暗くて…見た目は笹川みたいな感じ」
黒髪でメガネって…ことかな?
「口数も少なくてさ……虐められてたんだよね。
先生に相談しても相手にしてもらえなくてさ。
毎日殴られたり蹴られたり、物隠されたりしてて。」
如月くんの手が震えいるような気がした。
「ある日体育倉庫に閉じ込めれた日があってさ。
先生が助けてくれたんだけど、それが原因で声出なくなっちゃってさ。親には虐めのこと黙ってたんだけど流石にバレちゃって転校したんだ。」
如月くんは大きく深呼吸をした。



