キミの名前を呼びたい。



「事故とはいえ、キス…しちゃって。」


私は慌てて如月くんの前に行った。


『私の方こそ怪我させてしまってごめんなさい』


「大丈夫だよ、これくらいどうってことない」


如月くんが手際よくワイシャツを着た。



「葉山さんは、なんで声が出なくなったの?」


そういえば、如月くんには話してないかも…


というか梓ちゃん以外理由話したことないんだけど。


『私が小学校にあがる前の時に、両親が交通事故で亡くなってそれから1度も出ないの。』


「そうだったんだ…」


『もう10年以上前のことなのに…』


「俺、さ。転校してきた初日に声出なくなったことあるって言ったの覚えてる?」


確か…風邪で喉やられた時って言ってた…