1人で食べるから、筆談用のノートも教室に置いてきた。
静かな図書室。
「……」
かすり声でも出ないかな、なんて試すけどもちろん出ない。
私もみんなとおしゃべりしたい。
このまま一生声が出ないままなのかな。
黙々とお弁当を食べて、もう一度声が出ないか試してみる。
「……」
ただ口をパクパクさせただけだった。
私昔どんな風に話していたんだっけ?
どんな声だったっけ?
"葉山さんと友達になりたい!"
ふと、如月くんの言葉を思い出した。
声が出なくなってからは、友達と呼べるのは梓ちゃんだけ。
梓ちゃんが言ってた通り、面倒くさくなって避けられるの。



