私が小学校にあがる少し前のころ、 いとこの霜野 梓(しものあずさ)の家で両親の帰宅を待っていた。 だけど、その両親が帰ってくることはなかった──── 冷たくなった両親を見た日以来、 私の声は出なくなった。