ジャージ姿の森川くんは俺の話を一通り聞くと、昇降口の階段に腰かけて口を開いた。
「…未来って、顔、可愛いじゃないですか」
「まあ、そこそこだな」
俺が言うと森川くんは、さすが会長、と言って笑って。
「それで、結構、昔からすぐ告られるんですけどね。やっぱ、顔なんすね。もちろん分かりませんよ、未来のどこが好きなのかなんて、本人にしか。うまく言葉にできない人だっているだろうし」
俺は頷く。
「…でも未来からしたら、話したこともない関わったこともない男から好きだって言われて、女からは顔がいいからだーって、やっかまれて」
空は茜色が落ちてきて、夜の支度をはじめようとしている。


